ベスト20選考委員の対話


TRICKandTREATの
『砂時計』


1.▲RPG▼
2.DROP~遠い明日~
3.star trip
4.君が教えてくれたこと
5.steps
6.2010
7.陽の射す方へ
8.Never feel
9.Happy Birth Day
10.帰り道


Vo/加奈(KANA)
Gt/由人(YUTO)
Ba/マリオ(MARIO)

Additiopnal Musicians
Dr/ピロリン
Key/Hideyuki Okada


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第13回 TRICKandTREATの『砂時計』

B: ご無沙汰しました!

A: 前回から半年以上経っちゃいましたね。(笑い)

B: CDを積極的に探してないからでしょうか。(笑い) ベスト20に選定することを念頭にCD探しをしてしまうと基準が崩れそうというか、それが心配です。これはいいと思ったら、そこからが出発点と思ってます。

A: なるほど、確かにこれまで選出された5枚のアルバムは、結果なかなかの水準ですよね。

B: それでも今回は、レコ発で東京ツアーに来る京都のバンドということで、最初からCDを買って考えてみようという気持ちでライブに出かけたんですよ。事前にバンドのWebサイトで試聴して、悪くないかもとは思ったんで…。

A: ということで、今回は京都のバンドTRICKandTREATの『砂時計』です。ボーカルとベースが女性、ギターが男性の3人組ユニットですね。

B: ライブでは、ギターがキレがあってうまいなとは思ったんですが、みょうに演奏に余裕があって、ステージ進行もそつなくこなすので、ちょっとアイドル系を目指しているのかと思ったり、実はいまひとつピンと来なかったんですが、CDはよかった。

A: なるほど、楽曲のレベルは高そうですね。音は正統派のポップロックっていう感じですか。

B: 路線としては、YUIとか、いきものがかりに近いんでしょうか。音的にJ-POP系の場合は毎回インディーズとしての存在意義ということでは悩みます。インディーズチケットオンラインとしては、インディーズとして成功することを応援したいと思っているので。

A: いまどきメジャーに行ったら幸せという訳じゃないですからね。ところで、演奏に余裕があるというのは、CDでも同じですかね。変拍子なんかも入ったりしてますが、スリリングな演奏という感じではないですね。

B: あるいは楽器がうますぎるのか。(笑い) でも、5曲目の「steps」とか6曲目の「2010」とかはテンポもいいし、迫力があっていいですよ。

A: 確かに「steps」なんかはハードロックでかっこいい。 歌詞も強いメッセージソングの感じです。

B: そこでひとつ発見があったのは、繰り返し聴く内に、特にバラード系の曲でいつのまにか歌詞を中心に聴いていたんです。私の場合、洋楽を聴いて育ったせいか常に音楽を中心に聴いていて、もちろん歌詞は気にしますが、あくまでどう音を引き立てるかという観点だと思うんです。

A:  そういえば坂本龍一は歌詞をまったく聴かないらしいですね。テレビで言ってましたが、「『あの曲のどこがいいの?』って聞くと、『歌詞のあそこが…』って答える人がいるけど意味が分からない」って。(笑い) 歌詞をまったく聴かない、聴けない人っているんですよね。

B: 私の場合はそれほど極端じゃないですけれど、それがこのアルバムでは、気がつくと歌詞を聴いていたりする。アルバム全体を通してのテーマは「まずは一歩を踏み出そう」ということだと思うんですが、言葉が自然な形でメロディーにのっているためなのか、歌い方のせいなのか、すっと胸に入ってくる。

A: まあ両方なんでしょうね。メジャーのアイドル系ポップなんかで、全然メロディーにのってないメチャクチャ強引な歌詞がよく目に付きますが、そういうものとは次元が違うかもしれません。

B: そう思うと、バラード系の曲がまた違って聴こえてきました。そういう意味で、このアルバムは音の部分だけで評価をしたらいけない、言葉の部分でも傑作なのかもしれないと思っています。

A: 日頃から歌詞中心に音楽を楽しむ人が聴いたらどう思うかが気になりますね。それではそこら辺への期待も込めて、6枚目のベスト20決定ということで!



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