ベスト20選考委員の対話


Climber's Nash
『Mebius loop』


1.filled a glass
2.asleep
3.I'm tender in the world
4.garden
5.0114.wed(inst)
6.Europa
7.The wheel of life


Vo,Gt/ソエジ
Gt,Cho/taichi
Ba,Cho/タツル
Dr/賢作




Fruuppの
『当世仮面舞踏会』


| 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18| 19|



第14回 Climber's Nashの『Mebius loop』

A: ジャケットが前回のTRICKandTREATに近いものがありますね。人が彼方を見てる。

B: そう、私もちょっと驚きました。(笑い) まあ単なる偶然で、音的な類縁はないんですが…。

A: ということで、今回はClimber's Nashの『Mebius loop』です。リズム隊が実に気持ちいいですね。リズムセクションが軽やかに弾んでいると言ったらいいでしょうか。

B: 楽器隊は基本ジャズですよね。5曲目にインストの曲がありますが、それを聴くとフュージョンだって思います。

A: なるほど。ギターがクリーン系で、ロックとしては珍しい感じでしょうか?

B: そういう点で、私はFruupp(フループ)っていうバンドを思い出しました。

A: 1970年代のアイルランドのプログレバンドですね。

B: Fruuppがそうだったと思うんですが、演奏だけだとフュージョンなのに、ボーカルが入ってくると、歌入りのフュージョンになるかと思いきや、そうではなくロックになっている。そこがなかなかいい。

A: 演奏、いいですよね。例えば、ベースの音が頭のアタックだけでなく、そのあとの、ドゥ・ウーンという伸びの感じがとても活きている。ドラムのキレもいいですね。

B: 2本のギターの絡み方も絶妙ですよね。本当に無駄な音がない。

A: それがまた、頭で考えて作ったという音ではなく、自然体で演奏している感じがして…すごい!(笑い)

B: 4人集まると、どうしても多少のレベルの差が見えてしまったりするんですが、このバンドは実にバランスがいいと思います。

A: それからボーカルが渋いというか、非常に個性的な声をしてますね。

B: ときどきピーター・ガブリエルみたいな声を出しますよね。2曲目「asleep」の歌い出しのところとか、ピーター・ガブリエルそっくりじゃありませんか?

A: 確かに似てますね。(笑い)

B: 5曲目に雑踏のSEが被ったインスト曲があって、そのあとエンディングへとなだれ込んでいく構成がいい効果を上げてます。ラストの曲「The wheel of life」のボーカルにイコライザーが掛かってますが、これもラストの感じをうまく出していると思います。

A: そういう意味で、曲の組み方に関しても非常に意識の高いアルバムだと思います。演奏の気持ちよさから、聴き逃してしまいそうですが、相当な緻密な計算の上に構成されたか、「神様」が降りてきたかのいずれかなんでしょうね。

B: 結果、曲数は7曲でも、たいへん聴き応えのあるアルバムになっています。

A: ベスト20選定7枚目の、ラッキーセブンに相応しいアルバムということですね!



| 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 |