ベスト20選考委員の対話


HOMM∃(オム)の
『NO IMAGE』


1.訪問者
2.死体遊技
3.miss him
4.猿とらわれて
5.たよりない手紙
6.いいこだよ
7.ふーん
8.deadspot
9.花ざかりの森
10.製紙工場の春


Gt&Vo/mariko nii
Ba/mitsuko wada
Dr/maho kikui


| 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 |



第18回 HOMM∃(オム)の『NO IMAGE』

A: なんとも強烈なインパクトですね!

B: 曲自体は結構洗練されたハイブロウな感じですが、ギターの荒々しい音とあいまって強烈なインパクトを醸し出していますね。

A: ということで、今回はHOMM∃の『NO IMAGE』です。いずれにしても、これまでではいちばんアンダーグラウンドなサウンドのCDです。

B: 私はこのところ、オルタナティブ・ロックとは何かということを考えていたんですが、日本にオルタナティブ・ロックがあるとすれば、これだ!と思ったくらいです。そういう意味でも非常にインパクトはありました。

A: しかし、歌詞カードがイラストも入った、ずいぶん丁寧なつくりというか豪華なリーフレットになっていますね。

B: そこら辺も、このバンドの面白いところですね。狼の皮を被った赤ずきんちゃんといった感じですか。(笑い)

A: 繊細さから出た荒々しさということですか。

B: 何といっても、HOMM∃としての美学が一貫しているところがいいと思います。

A: 結局そこでしょうね。危ないところへいく一歩手前で踏みとどまっている。(笑い)

B: アルバムとしては、曲の組み方がうまい。まるでポール・マッカートニーのアルバムのように、前の曲が次の曲のイントロのようになって、連続して聴いていくことが出来ます。

A: 実際に7曲め8曲めはつながっていますしね。

B: 曲が積み重なって、ぐいぐいとHOMM∃ワールドへ引き込んでいく構造が出来ています。ヴォーカルも力を抜いて、だらっと歌っているようでもあるんですが、これが呪文のように次第次第に利いてくる。

A: でもエモーショナルな叫びの部分もあります。「いいこだよ」の叫びはすごい。ジョン・レノンみたいです。

B: まあ我々は、そうやって古いところを基準に聴いてしまうところがありますが、歌詞も文学的だし、意外と古典的なロックなのかもしれません。

A: スリーピース・バンドとしての魅力も大きいですね。2曲めの「死体遊技」では、マラカスのような音が追加されていますが、それ以外はほぼオーバーダブのないスリーピースの音ですね。

B: スタジオ録音だと、どうしても音を重ねちゃいますからね。ここまで徹底してスリーピースの音を出した点も、評価したいと思います。このアルバムを繰り返し聴きたくなる要素になっていますね。

A: ただちょっと気になったんですが、「死体遊技」がテンポが不安定というか、途中で走ってますよね。

B: ドラムのパターンが変わるところで走ってますね。ちなみに「中村宗一郎氏(peace music)に録音の始終を一任」とあるんですが、撮り直ししようって話にはならなかったんですかね。アルバムの完成度からいうとちょっと惜しい部分です。

A: メンバー自身だと気づいていても、いろいろな状況から欠点が意識下に隠れてしまうということがありそうですが、第三者がプロデューサーとして入ってれば、当然気づくはずだと思うんですが…。

B: スタジオ費用とかいろいろありますからね。だからといって、クリック聴きながらの録音は絶対避けて欲しいですが。

A: それを含めて、インディーズならではのアンダーグラウンドな表現ということで、11枚目のCDベスト20に決定にしましょう!



| 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 |